Fallout3 に出てくるゲイリーの元ネタ?

住人が全員ゲイリーという名前のクローン人間ばかりになっている核シェルターが Fallout 3 に登場する。

先日、本を読んでいたら、このゲイリーの元ネタっぽいものを見つけた。本のタイトルは「平均思考は捨てなさい」(原題:THE END OF AVERAGE)だ。

子供たちを組織化して教育を施し、工場での仕事を「完璧に」こなす労働者に仕立て上げるため、テイラー主義者は科学的管理法の中心的な教義に従って教育制度全体の構造の見直しに取り組んだ。すなわち、平均を使ってあらゆるものを標準化したのだ。例えば、全米の学校が「ゲイリー・プラン」を採用する。これはインディアナ州工業都市ゲイリーに由来するもので、(以下略)

Googleブックス立ち読みページより問題部分を太字にして引用。)

なんとなく、この社会思想には覚えがあるなと思っていたら、Falloutの世界観にそっくりじゃん。しかもゲイリー・プランって。

すぐに英語版ウィキペディアで詳細を調べてみたのだが、そうしたら William Wirt (ウィリアム・ワート?)なる教育家が出てきた。

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「ゲイリー!ゲイリーなのか?」

なんか、この人、ゲイリーに似てない? 目の下の皺とか、髪型とか、眉毛の角度とかが一致してるように見えるんだけど。

画一的な労働者に画一的な作業をさせて最高の生産性を実現しようというテーラー主義の夢は、ひょっとしたらひょっとして、Falloutの世界でクローン技術と出会い、そして無残にも失敗した、ということになっているのかもしれない。

以上が小生の推測なんだけど、確証を求めて色々思い当たる所を英語で検索してみたのだが、この件について言及しているところは1つもなかった。というわけで真相はよくわからん。

追記

そういえば古典的SF小説「すばらしい新世界」にも受精卵の分割によるクローンや、それによる社会階層の話が出てくる。Falloutのテーマでもあるレトロフューチャーってやつは、こういう世界観の元で作られたのかもしれないね。洋ゲーのシナリオはたまにこういう発見があるから面白い。

*1:画像はウィキメディア・コモンズとGoogle画像検索より引用してトリミング+レベル調整